絵心ゼロのシステム系がLINEスタンプを作ってみた 後編
このエントリーは、「絵心ゼロのシステム系がLINEスタンプを作ってみた 前編」の続きです。
はじめてこのエントリーを読まれる場合は、前回のエントリーから読んでいただだければと思います。
販売につなげるために
「ぼくはこま」のスタンプが、リリースから1週間もしないうちに殆ど売れなくなり、たとえ「バシャ馬くん」のスタンプが承認されたとしても、殆ど売れないぞ…というのが明確になってきました。
そこで、売れているスタンプの特徴から、何かヒントが得られないかと考えてみました。
- 可愛い動物(主にネコ)
- 大阪弁
- 文字がベース
- インパクトが凄い
- 名前の通った人がモチーフになっている
- 著名人が作っている
こんな感じですが、「バシャ馬くん」は、強いて言うと…ギリギリ動物というくらいなもので、やはり売れそうな要素がありません。
正面から衝突しても売れない…とにかく、何か出来ることはないだろうか…とTさんに相談をしてみたところ、「バシャ馬くん」をシリーズ化してゆくなら、その販売促進用の専用サイトがあっても良いんじゃないか、ということになり、一緒にバシャ馬くんのサイトを作ることになりました。
そのサイト内で「バシャ馬くんスタンプ」のコンセプトでもある「ブラック企業」をモチーフに、何かコンテンツ展開ができないだろうか、バシャ馬くんを面白くできないだろうかと検討しはじめました。
例えば、バシャ馬くん達がブラック企業あるあるを物語風にしてみるとか、4コママンガにしてみるのは面白いんじゃないだろうか、もっとプログラムを組んで、あんな事やこんな事でコンテンツ展開ができれば…などなど夢が広がります。
とはいえ、まずは、それほど時間のかからない事から始めてみようということで、バシャ馬くんのストーリーコンテンツ作りから始めてみることにしました。
ちなみに、私はプログラムやサーバ周りの仕事をしていて、Tさんはデザインからコーディングをしています。
それぞれ別の会社に勤めていますが、2人いればサイト作りができるため、バシャ馬くんのサイトは「放課後のクラブ活動」のような感じで始まったのでした。
また、せっかくプライベートでサイトを作るんだから、今までやったことがないことをしてみたり、実験的なことをしてみたいよね、ということで、それぞれの「やりたいこと」を持ち合うことにしました。
サーバ作り
サイトを作る事になると、システム人間としては、「サーバはどうしよう、ドメインは何にしよう」というワクワクが始まります。
普段の仕事でも、クライアント様のサーバを作ったり、構成を考えるのが好きなので、つい先日もサーバ会社の方に「こんなサーバが欲しいです」と無理な注文を出してしまったのは内緒です。
ということで、サーバをどれにしようかなぁ…と考えながら自宅の部屋を見渡してみると、電源を入れられることもなく転がっている mac mini server に目がとまりました。
「使い慣れたCentOSにしないで、macでサーバを立てるのもアリだな」と思い、このmacでサーバを立てることにしました。
とはいえ、このマシン、2009年のモデルのため、CPUはCore2Duo、HDDは500GBの5400回転もの。そしてメモリは1GBという、今では考えられないほどの低スペックマシンです。
ひとまず、最新のOSが動くレベルに持って行く必要があったので、HDDをSSDに付け替え、メモリを増量して、なんとか動作するレベルになりました。
それでもスペック的にかなり厳しいので、Serverのデフォルトで使われている「Apache」ではなく「nginx + php-fmp」の環境をbrewコマンドでインストールしました。
mariadbもbrewコマンドでさくっとインストールでき、LAMP環境ではない、MNMPという環境が出来上がりました。
格安SSLのComodoを利用してnginxでのhttps化もでき、WordPressも問題なく動作をしたので、これでサーバに必要な機能は整いました。
そうこうしているうちに「Yosemite GM」もリリースされたので、OSもアップグレードを完了し、ようやくサーバを外に出しても大丈夫な状態になりました。
Tさんと一緒に作り始めたサイトも、徐々に形になり始め、あとは「バシャ馬くん」のスタンプが承認されるだけ・・・。
そうして、再びリジェクト
サーバも出来て、サイトの作成も進み始めていましたが、「バシャ馬くん」は、いつまで経っても承認されません。
その間に、サイト作りでバシャ馬くんやバシャ子さんを描いていると、スタンプとして描いたバシャ馬くんが、バシャ馬くんに見えなくなってきました。
それは、スタンプを描き始めるきっかけとなった「インパクトのある絵」が、書き慣れてきた故の違和感が大きくなってきたということなのでしょう。
「うーん、スタンプが承認されても、これはバシャ馬くんというには違和感が凄いな…」
一度そう思ってしまうと、気になってしまう性格なので、日に日に「書き直したい」という思いが強くなってきました。
また、8月8日からピタッと審査日付の更新が止まっていて、このまま放置される可能性が高いなと思ったので、9月18日に「問題報告フォーム」から、「書き直したいので、一旦編集状態に戻して欲しい」という内容の問い合わせを送ったところ、「審査途中のスタンプの個別でのリジェクト対応は行っておりません」という回答が帰ってきました。
もう、為す術もない状況に陥ったので、暫く放置しながら、サイト用の絵を描きながら、スタンプの書き直しを平行に進めていました。
すると、願いが通じたのか、10月2日に「過度に不快、または粗野なもの」として画像が4つリジェクトされてきました。
「6月22日に申請して、今更、過度に不愉快でリジェクト??もう完全に放置されてたんだな」と思わざるをえない感じですが、9月18日にリジェクト依頼をしたのが功を奏したと、プラス思考で考えることにしました。
ひとまず、リジェクトされたバシャ子さんの画像に関しては、台詞を変更することにしましたが、「悪いようにはしないから」は面白くないな…と思って、別のスタンプを描いて差し替えました。
こうして、第1弾の「バシャ馬くん」は「申請し直し」というスタートに戻ったので、その承認を待たずに、先に承認されている「バシャ馬くんと同僚 時々 後輩 〜 Mr.Sweatshop Horse & his co-workers 〜」のスタンプを先に出してしまおう!ということにしました。
ということで、バシャ馬くんのサイト公開です。
スタンプが承認されないのと、サーバもサイトも出来たので、何の前触れもなく、こんな深夜にバシャ馬くんのサイトを公開しました。
ブラック企業での「あるあるネタ」を元にスタンプを作ってきたので、ドメインはそのまま「syachiku.jp」にしてみました。
サイト全体がSSLになっているのは、googleがSSLのサイトを…ぶつぶつ…といってたので、「社畜」というビッグキーワードでどこまで行けるかやってみようという意味の無いチャレンジに挑みたいと思います。
でも、それよりも、スタンプがどれだけ売れるのか…ということで、第2弾の「バシャ馬くんと同僚 時々 後輩 〜 Mr.Sweatshop Horse & his co-workers 〜」をよろしくお願いいたします m(_ _)m