アールテック・ウエノが開発するオキュセバ

私の友達に、父親が失明間近になっている人がいます。

お父さんはまだ50代で、働き盛りな世代であるにもかかわらず、車の運転なども出来ず、既に友達(20代)の扶養家族になっているという状況です。

さらに、その父親の弟の方は既に失明をしていて、全く視力が無いという状態になられているそうです。

そのため、私の友達も「いつか自分がそうなってしまうんじゃ無いだろうか」と想いながら生きていると言っていました。

父親や叔父の失明の原因は「網膜色素変性(もうまくしきそへんせい)」と診断されていて、日本国内では3万人、世界中では100万人の患者がいるとされている、いわゆる「稀少疾病(オーファン疾患)」であり、現在、治療薬もない大変困難な病気なのです。

 

友達とアールテック・ウエノ 偶然の出会い

この友達とは、3ヶ月ほど前に知り合っていましたが、父親の話を聞いたのは1ヶ月ほど前でした。

「うちの父親、視界がだんだん狭くなっていって、最後は失明してしまう病気やねん」

友達がいったその言葉、どこかでそんな話を聞いたことあるなぁ…と考えていたら、以前のblogで書いた「創薬ベンチャー大集合 セミナー」で、アールテック・ウエノの代表取締役社長である眞島さんが説明をしていた「網膜色素変性」って症状じゃ無いだろうか?と思い、友達に聞いてみました。

「そう、そんな名前の病気!なんでそんな難しい病気の事を知ってるの?」と、友達は驚いていましたが、私も大変驚きました。

セミナーで貰っていたアールテック・ウエノの事業内容の書かれた資料を友達に見せながら、開発中の治療薬は、上手くいけば2016年に上市されるし、2015年には有効性試験が行われるから、お父さんがその試験に参加できないかをIRに問い合わせをしてみれば?と伝えておきました。

友達と知り合ったタイミングや、セミナーにアールテック・ウエノが参加されていたこと、そのセミナーが東京で開催されていたにもかかわらず私が行ったこと。

偶然かもしれませんが、まるで「この会社の事を友達に知らせなさい」と言われているような不思議な感覚がありました。

 

「網膜色素変性」の治療薬「オキュセバ」(UF-021)

この「網膜色素変性」を治療する薬は、現在、第3相臨床試験が開始されており、2015年に有効性試験・申請・完全性試験を経て、2016年に承認・販売が予定されています。

2013年6月21日に発行された
株式会社フィスコの作成によるアールテック・ウエノに関する資料
には、このオキュセバについて、このように書かれています。

(1)網膜色素変性治療薬「ウノプロストン点眼液(UF-021)」
網膜色素変性とは進行性の夜盲で、視野狭窄を主な症状とし、失明に至ることがある遺伝性の疾患。
日本では視聴覚障害原因の第3位(60歳以下では第1位)となっている。
国内における患者数は約3万人(世界中では約100万人超)でオーファンドラッグ領域となる。

現在まで、低分子化合物による有効な治療法は確立されておらず、社会的要請は強い新薬と言える
(網膜色素変性の特殊型では遺伝子治療が英米で行われているほか、神経保護作用蛋白の眼内カプセル型放出投与が米国では行われている)。
実用化すれば日本だけでなく世界でも初の治療薬となり、市場を独占できる可能性もある。

患者数は国内で約3万人、世界では100万人超とみられており、潜在需要は膨大だ。
同社ではまず、国内での市場確立を進めていく方針で、現在第3相臨床試験に入っている。
順調にいけば2016年春にも製造・販売承認が下りる見通しだ。

他に類似品がないため、国内3万人のうち、約8割程度の需要は確保できるとみられ、ピーク時売上では約2,000百万円の売上が見込まれる。

販売費用をかけなくても引き合いは活発化することが予想されるほか、製造面でも「レスキュラ」と同じ成分であるウノプロストンの濃度を少し変えたものであり、新たな投資が必要ないこともメリットとして挙げられる。
このため、当初から粗利益率は「レスキュラ」を上回る80%超に達する可能性も十分にあり、利益へのインパクトは極めて大きいと言えよう。

この文書から、オキュセバが承認されて製造が開始される際には、既に三田工場で製造されている「レスキュラ」のラインが利用できるため、新たなラインが必要ないとのことですので、新薬製造工場を作るための資金不足や増資懸念などといった心配もなく、製造販売も順調に進みそうです。

また、2012年7月12日に、東北大学との間で「網膜色素変性薬のDDS研究」を発表されていることから、より精度が高い唯一無二の薬として上市されることになりそうです。

 

「ドライアイ」の治療薬「遺伝子組換え人血清アルブミン」(RU-101)

そしてアールテック・ウエノが開発を進めているもう1つの薬がドライアイ治療薬で、既存の薬にある「献血アルブミン製剤の感染症」というリスクがないのが特徴とされています。

「日本から世界に発信する画期的な重症ドライアイ治療薬になりうる」と会社から説明されている通り、ドライアイのグローバル市場1,500億円の市場に大きく食い込める可能性があります。

しかし、アールテック・ウエノは「ミドルリスク・ハイリターン」を基本経営方針にしているので、莫大な開発費用が必要になるこの新薬に関しては、有効性・安全性データを取得した後に、大手製薬メーカーにライセンスアウトされる予定となっています。

先ほどもご紹介した株式会社フィスコの資料の中には、このように記載されています。

同治療薬は世界初の生物製剤によるドライアイ治療薬で、遺伝子組み換え人血清アルブミン製剤により感染症のリスクが無いというメリットがある。
ドライアイの市場規模はグローバルで1,500億円の市場があると推定されており、過去5年間で2倍に成長、今後も年率10%の成長が見込まれている。

現状、ドライアイ治療に対しては様々なアプローチがなされている。
抗炎症薬で処方するケース(米アラガン社による2012年の抗炎症薬「Restasis」の売上予測は780-800millionドル(624~640億円)、日本は未承認)、
保湿・水分補給薬を使用するケース(ヒアルロン酸ナトリウム、メチルセルロースなど)、
ムチン/水分分泌促進点眼液を使用するケース(日本のみ承認、2社、米国でも臨床試験中)などだ。

こうしたなかで、同社は生物製剤で感染リスクゼロのアルブミン製剤で参入を図っていく。
効能としては保湿、ムチン分泌による上皮保護、抗炎症などがあり、抗炎症薬(Restasis)との併用も考えられる。
また、重症型から中等度ドライアイ患者への適応拡大、角膜上皮の創傷治療薬への適応拡大なども視野に入れている。

早ければ2016年3月期中に製薬メーカーにライセンスアウトできる可能性があり、第2/3相試験を経たのち、2019年3月期以降にマイルストーン収入として寄与してくる見通しだ。

新薬の開発には時間がかかるため、新薬となって販売が開始されるまでには、まだ数年かかるようです。

お金のかかるP2、P3を自力で行う資金力が無いため、ライセンスアウトをしてマイルストーンを受け取るという戦略になっていますが、ウィズパートナーズなどが出資をして、自社での開発費用が確保出来れば、この新薬だけでも、大変大きな事業になるのではないかと思っていたりします。

 

既に黒字で配当を出している企業

アールテック・ウエノは「ミドルリスク・ハイリターン」を基本戦略とし、株主還元を掲げられている財務基盤のしっかりした創薬ベンチャーです。

既に上市されている、緑内障・高眼圧症の「レスキュラ点眼液」と、32年ぶりに承認された便秘症の新薬「アミティーザカプセル 」の委託製造をしており、その売上げは順調に伸びているようです。

2014年3月期の会社側業績見通しは、売上高が前期比9.6%増の4,991百万円、営業利益が同23.8%増の971百万円、経常利益が同9.4%増の974百万円、当期純利益が同12.7%増の633百万円と増収増益を計画している。

このように、会社は順調に成長をしてるようです。

「オーファン疾患で苦しんでいる患者さんを助けたい」という思いと「企業を存続させながら、支援してくれる株主へもちゃんと還元したい」という思いは、まさに「ミドルリスク・ハイリターン」を有言実行されている企業姿勢そのものです。

 

先日のフォーラムで話されている眞島社長の人柄も伝わってきましたし、友達と友達の父親の為にも、1日も早く上市をして欲しいという思いから、私も(弱小ではありますが)株主として支援できればと思っています。

また、前回の記事「創薬ベンチャー大集合 セミナー」にもアールテック・ウエノの事業内容を簡単にまとめてありますので、ご興味があればこちらもご覧下さい。

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